2017年3月1日水曜日
DJ Fabo
先週末、ミラノのドゥオモのヤシの木、見て来ました!(先日の記事参照:http://milanoamici.blogspot.it/2017/02/blog-post_21.html
実際に見てみると、なかなか、良い感じでした。
最近のイタリアニュース。
イタリア在住の方々は、ご存知と思いますが。
数日前、DJ Faboが、亡くなりました。
彼の死について、連日、議論が繰り広げられています。
ミラノ生まれの40歳でした。
生涯、音楽を好み、若い頃は、モトクロスの選手。
そして、その後は、DJとして、活躍されていました。
2014年に、自動車事故で、視力を失い、四肢麻痺の障害を持ち、事故以来、寝たきり状態となりました。
数日前、彼は、スイスの病院で、息を引き取り、天国へと旅立ちました。
彼は、"死"を自ら選びました。
薬剤投与によって、生きる苦しみから解放されることを選びました。
つまり、積極的安楽死です。
イタリア語では、Dolce morte (甘い死)とも呼ばれます。
イタリアでも、以前から議論になっていることですが、法的に認められません。
スイスでは、容認されています。
彼は、亡くなる直前に、このように語りました。
"私はようやく、スイスにたどり着きました。母国であるイタリアの援助のおかげでなく、(国は一切、助けてくれること以前に、聞く耳も持ってくれなかったということを、彼らしい、逆説的な言い回しで表現しています)自分の力で、たどり着きました。この人生、そして、苦しくて、苦しくて、苦しみの地獄から、私を救い出してくれた、ある方に、感謝の気持ちでいっぱいです。"
と。
その方とは、マルコカッパート。政治家でもあります。
ちなみに、現在、自殺幇助の罪に問われています。
彼の隣には、いつも、事故前から付き合っていた彼女が、付き添っていました。
亡くなる前日、彼女は、彼と最後の夜を共にしました。そして、彼女は、"この夜"が終わらなければいいのにと心の中で、望んでいたそうです。
死ぬという決断。
死ぬ程の生きる苦しみ。
生きることでなく、死ぬことに威厳を見いだし、死を選んだ。
色々な記事を読むと、彼本人自身、痛み、苦しみから解放されるためだけでなく、お母様や、恋人に対する、最後の優しさでもあったようです。
それは、政治家であるマルコという第三者に、援助してもらったことにより、家族、恋人が、自殺幇助の罪で、12年の実刑に問われることを避けたことからも、うかがえられます。
DJ Faboが亡くなった直後に、同じスイスの病院で、彼のような状況で、痛み、苦しみから逃れるために、死を選び、息を引き取ったイタリア人が他にもいます。
この、Dolce morte (積極的安楽死)。
さまざまな、意見があると思います。
DJ Faboの健康状態とは比べ物になりませんが。。
私は、主人の病気を通して、日々、"生きる"、"前に進む"ということの難しさを感じ、四苦八苦していますが、この事を通して、死を選んだファボを尊重すると共に、更に、逆に、生きるための勇気をもらった気もします。
DJ Faboの死については、色々と考えさせられます。
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