2016年4月23日土曜日

アルバニアに出稼ぎ

昨夜、テレビのニュースで。

海外に移行されているコールセンターについて。
日本でも、コールセンターが中国に移行されているように、イタリアでもコールセンターが、海外、ルーマニアやアルバニアへ移されています。
もちろん、企業としては、コスト削減のため。
ここまでは、日本と同じと思いながら、ニュースを聞いていましたが。

ニュースでやっていたのは、アルバニアのケース。
まずは、イタリア語を勉強して、コールセンターで働くアルバニア人が、イタリア語で流暢にインタビューに答えていて、まるで、日本語をしゃべるコールセンターの中国人のような感じ。

しかし、ここからが違います。

イタリアの若者たちが、アルバニアのコールセンターで働くケースも。
もしかしたら、コールセンターに限ったことではないのかもしれないけど。
イタリアのカラブリアからアルバニアに職を求め、コールセンターで働く若者がインタビューで、"イタリアに未来が感じられないから、アルバニアに来て、働いていて、今は満足しています。"と。

"日本に未来が感じられないから"と、職を求めて、中国やアジア諸国、海外に出る人を想像することは、難しい。

今まで、そして今でも、アルバニアやルーマニア、東欧から、出稼ぎで、イタリアに来る人々が多いけど、イタリアからアルバニアに出稼ぎをするパターンもあるのは、改めて、イタリアの経済について、そして就職難について、思い知らされます。

そういえば。

義父のポーランド人の彼女、彼女もバダンテ(介護)の仕事のために、ポーランドに旦那と息子を残し、イタリア、義父の元に出稼ぎにきていたけど、ここ数年続くイタリアの不景気、物価の高騰、以前のイタリアに比べて、住みにくくなってきて、ポーランドの方がよっぽどいい!と、数年前にぼやいていたのも思い出します。

そして、去年知り合って以来の友人、イタリア バジリカータ州のマテーラに住む、21歳のジュゼッペ。

彼は、Elettrocista (エレットロチスタ、電気技師、エンジニア)としての仕事を探しています。とても礼儀正しく、繊細、そして頭が良く。エンジニアとしても優秀で、うちに来たときに、ずっと壊れていた、食器洗い器を簡単に直してしまいました。ちなみに、数年前に、メーカーに問い合わせ、一度エンジニアが家に来ましたが、もう寿命で、買い替えるしかないと言われて、あきらめ、放ったらかしにしていた食器洗い器。見事に生まれ変わり、毎日活躍しています。

彼、去年、ある大手電機企業の面接に行き、もちろん優秀だから、採用。
でも条件付き採用。
それは、誰かが、社内で辞めない限り、本採用にならないということ。。"空きがでたら連絡します"と。彼としては、もちろん待っていられないので、新たに探すことに。

次に思い立ったのが、ガールフレンドが働く、イタリア軍隊で、エンジニアとして働くこと。イタリアの徴兵制度が廃止されたのは2005年ですが、このイタリアの就職難、軍隊で働くことを志願する若者、少なくないです。

ちょうど、今年2月、私たちがウンブリアで生活しているときに、ジュゼッペが、最終選考のために、同じウンブリアのフォリーニョに来ていて、最終選考が行われる施設に送りに行ったところ、100人以上の若者がいました。最終的に選抜されるのは、10人程度。3日にわたり、選考があり、1日目選抜されなければ、その場で退場。つまり、毎日選考が行われ、その場で切られていくシステム。ジュゼッペは、最終日まで残り、めでたく、本採用となりました。そして、4月から、マルケ州の軍隊施設で働き始め。

入隊式が、今月末にあるとのことだったから、見に行くことを楽しみにしていたら。。

10日ほど前に、主人がwhatsappでメッセージを送ると。"色々と問題があって、この仕事、続けられないかもしれない"と。その後、4日後には既に辞めていて、実家のマテーラに戻っていました。メッセージを送ると、"自分がやりたいことと違った。自分が何をすべきか、どうしたらよいのかもわからなくなってきた"と混乱している返事が返ってきました。主人は、"今時の若者と違い、落ち着いていて、大人びていて、頭がよくて、優秀。しかも繊細だから、上から相当いじめられたんだろう"と。
軍隊という特殊な環境で働くことのむずかしさを目の当たりにしたジュゼッペ。

イタリアの若者の就職難。日本では信じがたいほどの就職難。日本にいるとなかなか見えないイタリアの就職難。才能、夢があり、将来に希望を描くイタリアの若者たち、様々ですが、未来に向かい、それぞれが持つ創造性で、前に進もうと、もがいています。




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